生理
生理検査とは
生理検査(生理機能検査ともいう)は、種々の臨床検査機器を用いて臨床診断に必要な身体の機能や情報を直接的に調べる検査(生体検査)です。代表的な検査項目は以下のようなものがあります。① 標準12誘導心電図検査(心電図検査)
不整脈・心筋梗塞・狭心症など、心臓の病気がわかります。心電図は心臓が動くときに発生する電気的な興奮を波形としてとらえ記録したものです。
動悸・脈の乱れ・胸の痛みなど心臓の病気の診断を行うための検査です。
② 運動負荷試験
一定の運動をしながら、安静時の検査では異常を示さない冠動脈の循環予備力や心機能の予備力を評価する検査です。
2段の階段を上り下りするマスター2階段法、動いているベルトコンベアの上を歩くトレッドミル法、自転車のペダルをこぐエルゴーメータ法などで動的負荷を与え、心電図変化・血圧・心拍数・酸素摂取量・心臓超音波などの変化によって診断します。
③ 24時間(ホルター)心電図検査
日常生活における心電図の変化をみるために携帯可能な器械を装着し、24時間の連続した心電図を記録する検査です。
日常生活での不整脈や狭心症の出現、無自覚の発作、睡眠中の発作の検出を目的としています。
④ 血圧脈波検査(血管年齢)
血圧脈波検査ABIは、四肢の血圧を同時に測定することによって下肢の動脈硬化の程度を 数値化し、病気の早期発見に役立てようというものです。血管年齢も分かります。
⑤ 呼吸機能検査
呼吸機能検査にはさまざまな機械がありますが、基本的な検査の中にスパイロメトリがあります。肺機能障害の早期発見・病気の診断に役立つ検査です。肺活量や努力性肺活量(一秒量/一秒率)を調べます。
一秒量より、肺年齢も算出できます。
肺活量:肺に吸い込める最大の空気量を測定し、肺の容積が正常かどうかを判断します。
努力性肺活量:胸いっぱいに吸い込んだ空気を「一気に、最大努力で(思いっきり)」全部吐ききって測定される肺活量を努力肺活量と言います。
このとき、最初の1秒間でどれだけの量の空気を吐けたかが1秒量で、1秒量の努力肺活量に対する比率が1秒率です。
⑥ 末梢神経伝導速度検査
手や足を刺激して、その刺激が神経を伝わる速さを調べます。手足のしびれや筋力低下などのときに検査します。
神経の検査はほかにも、末梢の刺激が脳に伝わっていく時に起きる電位を記録する誘発電位、筋肉の電気的活動を記録する筋電図という検査もあります。
⑦ 脳波検査
脳の電気的な活動状態を頭の表面から記録する検査です。てんかんやけいれん、意識消失、脳梗塞、外傷後などさまざまな場合に検査します。
⑧ 超音波検査
超音波を用いて、身体の異常を見つける検査です。エコー検査とも呼ばれます。
超音波は人の耳では聞こえない高い周波数の音です。この音を探触子(プローブ)から身体に送ります。臓器によって反射の程度が違うので、はね返ってきた音を探触子で受信することで、画像として表示できます。
その画像から臓器の大きさ、形、内部の様子、血液の流れなどを調べます。心臓・腹部・甲状腺/乳腺などの体表領域・頸動脈や下肢動静脈などの血管領域などを調べます。
⑨ 終夜睡眠ポリグラフ検査
睡眠呼吸障害の診断に用いられます。睡眠時無呼吸症候群(眠っている間に呼吸が止まる病気)の診断には欠かせない検査です。
班 長 | 藤本 正和(香川県立白鳥病院) |
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副班長 | (神経生理) |
副班長 | (呼吸循環)大森 浩美(回生病院) |
副班長 | (画像)中石 浩己(香川大学医学部附属病院) |